POLICY DOSSIER · AI IMAGE GEN
FILE 05 — MIDJOURNEY, INC.

Midjourney

他4社(Claude・ChatGPT・Adobe Firefly・Google Nano Banana)とは、プライバシー・商用利用の両面でかなり異なる方針を取っている点が特徴です。

学習利用を前提とし、オフにする設定なし 生成物はデフォルトで公開 IP補償の提供なし

プライバシーポリシー

アップロードした画像・プロンプトは学習に使われるのか

公式プライバシーポリシーでは、取り扱う個人データに「機械学習アルゴリズムの学習プロセスを通じて収集されたデータ」が明記されています。カリフォルニア州AB2013対応の公式文書でも、学習データセットに「第三者およびMidjourneyユーザーから提供された非公開データ」が含まれるとされ、ユーザーのプロンプト・アップロード画像が学習に使われることが明示されています。個人向けアカウントに「学習利用をオフにする」設定は見当たりません。

デフォルトで画像・プロンプトが公開される仕組み

Midjourney最大の特徴は、生成画像・プロンプトが無料・有料を問わず原則公開される「オープンコミュニティ」設計である点です。利用規約では「コンテンツはデフォルトで公開され、リミックス可能」と明記され、他ユーザーがギャラリーやDiscordで閲覧・リミックスできます。

非公開にする方法・注意点(Stealth Mode)

法人・Enterprise契約の場合(詳細) Claude for WorkやChatGPT Enterprise、Firefly Enterprise、Google Workspaceのような独立したEnterpriseプランは存在しません。年間売上高100万米ドル超の企業(の従業員)が業務利用する場合、Pro/Mega Planへの加入に加え、前払い・返金不可の「コーポレート・メンバーシップ」が必要になる場合があります。年間50ライセンス以上の組織にはグループ一括請求の対応がありますが、これは請求事務の効率化にとどまります。

公式文書を確認する限り、「契約上、顧客データを学習に使わない」というコミットメントや、DPA・HIPAA向けBAA・SOC2監査等の案内は見当たりません。法人利用でも非公開化の手段は個人向けと同じStealth Modeです。

商用利用条件

生成画像の権利は誰に帰属するか

有料メンバーは、適用法の下で可能な最大限の範囲において、自ら作成したアセットを所有します。無料プランのユーザーには所有権ではなく、Creative Commons Attribution-NonCommercial 4.0(非商用限定)のライセンスのみが付与されます。他ユーザーの画像をアップスケールした場合、所有権は元の作成者に残ります。

商用利用は認められているか

有料プラン(Basic以上)であれば商用利用可能(「General Commercial Terms」)。ただし年間総収益100万米ドル超の企業(またはその従業員が業務目的で利用する場合)は、Pro PlanまたはMega Planへの加入が契約上必須です。

遵守すべき主な条件

IP侵害への補償は提供されていない Claude・ChatGPT・Adobe Firefly・Googleはいずれも一定の有料プランでIP侵害の補償(indemnification)を提供していますが、Midjourneyの利用規約にはこれに相当する補償条項が確認できません。生成物は「現状有姿(as is)」で提供され、第三者権利を侵害していないことの保証もなく、権利侵害リスクは基本的にユーザー自身が負う構成です。

他社との違いのまとめ

実務上の注意点

AI生成の透かし(ウォーターマーク)表示

複数の第三者検証記事によれば、Midjourneyは2026年時点でC2PA Content Credentials(来歴メタデータ)・不可視のピクセル電子透かしのいずれも標準搭載していません。DiscordやWeb版からダウンロードした画像に、生成AIであることを示す来歴情報は付与されないとされています。Midjourneyは業界団体Content Authenticity Initiativeに2023年から加盟しているとされますが、本資料作成時点で具体的な実装には至っていません。この点は、他の主要各社(Claude・ChatGPT・Adobe・Google・Microsoft等)がC2PA対応を進めているのとは対照的です。

参考リンク(情報ソース)