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FILE 10 — AWS

Nova Canvas

Amazon Bedrock経由のAPIサービスとして提供される画像生成モデル。個人の少額な従量課金利用と、Enterprise契約の間で、コアとなる保護に差がないという珍しい構造を持ちます。

学習利用:個人・Enterpriseとも対象外 IP補償:上限なし、Enterprise限定でない 実質的な無料プランなし

プライバシーポリシー

Amazon Nova Canvasとは

Amazon Nova Canvasは、AWSが開発した画像生成・編集モデルで、2024年12月に提供開始されました。他社と異なり、一般消費者向けの独立したチャットアプリは存在せず、もっぱらAmazon Bedrock(AWSのマネージド生成AIサービス)のAPIを通じて、開発者・企業が自社のアプリケーションに組み込む形で利用されます。透かし埋め込みやコンテンツモデレーションの仕組みが標準で組み込まれています。

入力した画像は学習に使われるのか

AWS公式のBedrock関連ドキュメントによれば、「AWSおよびサードパーティのモデル提供元は、Amazon Bedrockへの入力・出力を、Amazon Nova、Amazon Titan、その他いかなるモデルの学習にも利用しない」と明記されています。これはプロンプト・生成結果・埋め込み・ファインチューニング用データのすべてに適用されます。

個人利用とEnterprise契約で、この保護に差はあるか

ここがNova Canvasの大きな特徴です。学習に使わないという保護は、個人の少額な従量課金利用であっても、大企業のEnterprise契約であっても、同じAWSサービス規約に基づいて同一に適用されます。他の多くのサービスに見られる「無料・個人向けプランは学習に使われるが、有料のEnterpriseプランは除外される」という構造の差は、Nova Canvasには存在しません。そもそもオプトイン・オプトアウトという設定自体が用意されておらず、契約上の原則として学習利用が禁じられているためです。

Enterprise契約で追加される点(詳細) コアとなる学習非利用・データ分離といったプライバシー保護は個人・Enterpriseで共通ですが、Enterprise契約(AWS Enterprise Agreement等)では以下が追加で利用可能です:BAA(医療情報保護)をAWS Artifactからセルフサービスで締結可能、AWS PrivateLinkによるプライベート接続、CloudWatch・CloudTrailとの連携による監査、Enterprise Discount Program(EDP)による価格優遇と専任サポート。いずれも「追加オプション」であり、コアとなる学習非利用の保護自体を強化するものではありません。

商用利用条件

生成画像の権利は誰に帰属するか

AWSサービス規約では、顧客が保有するコンテンツについてAWSが所有権を主張しないという原則があり、Bedrock経由で生成した画像についても、顧客が生成物を利用・所有できる形になっています。

商用利用は認められているか

Amazon Bedrock/Nova Canvasは、そもそも開発者・企業が自社の商用アプリケーションに組み込むことを前提としたサービスであり、生成画像の商用利用は明確に想定・許可されています。他社に見られるような「無料プランは非商用限定」といった制限も存在しません(そもそも無料プランという概念がありません)。

遵守すべき主な条件

IP侵害への補償 ― Enterpriseに限定されない「上限なし」の補償 AWSは、Amazon Nova・Amazon Titanなど、一般提供(GA)されているAmazon生成AIサービスの生成出力について、著作権侵害の主張に対する上限なし(uncapped)のIP補償を提供しています(AWS Service Terms 第50.10項「Indemnified Generative AI Services」)。

Claude for Work、ChatGPT Enterprise、Firefly Enterprise、Google WorkspaceのIP補償が有償の法人向けEnterprise契約に限定されているのに対し、AWSのこの補償は、AWSサービス規約という共通の契約条件の一部として定められており、個人の少額利用者であっても、責任を持って利用している限り対象になり得るという、他社よりも間口が広い設計になっています。

実務上の注意点

AI生成の透かし(ウォーターマーク)表示

Nova Canvasの公式モデルカードには「built-in controls for watermarking and content moderation」と明記されており、標準で透かし機能が組み込まれています。Amazonは、Google・Metaと並んで、2025年9月時点で真に不可視なピクセル電子透かしを実際に展開している数少ない企業として業界レポートに言及されています。

参考リンク(情報ソース)