POLICY DOSSIER · AI IMAGE GEN
FILE 09 — META

Muse Image

2026年7月に発表された画像生成モデル。個人向け(Meta AIアプリ・Instagram・WhatsApp)と、広告主向け(Advantage+ / Ad Creative AI)を分けて整理します。

個人向け:地域により実効性が異なる 独立したEnterpriseプランなし IP補償の提供なし

プライバシーポリシー

Muse Imageとは

Muse Imageは、Meta Superintelligence Labsが開発した画像生成・編集AIモデルで、2026年7月に発表されました。Meta AIアプリ・ウェブサイト、Instagramストーリーズ、WhatsAppなどに統合されています。個人向けには無料で提供されるほか、2026年5月には利用枠を拡大する有料サブスクリプション「Meta One Plus/Premium」の提供も始まっています。広告主向けには「Advantage+ creative」というAI広告制作ツール群を通じて提供されています。

アップロードした画像は学習に使われるのか

Facebook・Instagram・WhatsApp・Threads上の公開投稿(写真・キャプション等)や、Meta AI(Muse Imageによる画像生成・編集を含む)とのやり取りは、Metaの生成AIモデルの学習に利用される場合があります。他のユーザーが投稿した写真にあなたが写っている場合でも、その投稿が公開されていれば学習データに含まれ得ます。一方、友人・家族との個人間のプライベートメッセージは、生成AIの学習データには含まれません。

オプトアウトの実効性に地域差がある

Metaの生成AI学習ポリシーは、地域によって法的な枠組みが大きく異なります。EU・英国のユーザーには、GDPR等のデータ保護法に基づき異議を申し立てる権利があり、比較的実効性の高いオプトアウトが可能です。一方、米国をはじめとする多くの地域では、学習利用そのものがデフォルトで有効になっており、ユーザーは「異議申立(objection)」フォームを提出できますが、その請求が承認される保証はありません。

広告主・Business向け(Advantage+ / Ad Creative AI)の場合 Muse Imageは広告主向けの「Advantage+ creative」にも組み込まれています。この文脈での利用は、個人向けのMeta AIs Terms of Serviceとは別の「Ad Creative Generative AI Terms」が適用されます。Meta AIやMeta Business製品にはClaude for WorkやMicrosoft 365 Copilotのような独立した「Enterprise契約」の枠組みは今のところ用意されておらず、広告主・法人利用はこの広告向け規約でカバーされています。「契約上デフォルトで学習対象外」という明確な商用データ保護の枠組みは、現時点のMeta公式文書からは確認できませんでした。

商用利用条件

生成画像の権利は誰に帰属するか(明確さに欠ける点に注意)

Meta AIs Terms of Serviceには「本規約で明示的に定める場合を除き、あなたは自分が提供したプロンプト(Input)についてのすべての権利・権原・利益を保持する」と明記されています。ただし、他社の規約に見られるような「あなたが生成した出力(Output)を所有する」という明確な文言は、Meta AIs Terms of Serviceの一般的な説明の中には見当たりませんでした。Claude・ChatGPT・Adobe・Googleなどが出力の所有権を明記しているのと比べて、この点はやや曖昧です。

商用利用は認められているか(利用経路によって扱いが大きく異なる)

個人がMeta AIアプリ等でMuse Imageを使って生成した画像については、一般的な利用規約の禁止事項に抵触しない限り、商用利用自体を明示的に禁じる記載は見当たりません。一方、広告主向けのAd Creative Generative AI Termsには、「Ad Creative AIsの利用を通じて生成された出力は、Metaのプラットフォーム上でのみ共有・投稿・公開・利用してよく、Meta以外の場所での利用・公開は本規約違反である」と明記されています。生成画像をどこでも自由に使える他の多くのサービスとは大きく異なる、Meta広告関連ツール特有の制限です。

遵守すべき主な条件

IP補償が提供されていない Ad Creative Generative AI Termsには「Ad Creative AIsおよびその出力の利用は自己責任で行うものとし、正確性・完全性・特定目的への適合性を含め、いかなる保証もない」と明記されています。他社(Claude for Work、ChatGPT Enterprise、Adobe Firefly Enterprise、Google Workspace/Cloud、xAI Enterprise)が、有償の商用・Enterprise向けサービスにおいてIP侵害の補償を提供しているのに対し、Meta広告関連の規約には、Metaが広告主を防御・補償する条項は見当たりません。生成物の利用によって生じたリスクは、広告主側が負う構成になっています。

実務上の注意点

AI生成の透かし(ウォーターマーク)表示

Metaは、写実的な人物が写る生成画像に対して可視の電子透かしを付与しているとされ、加えて全般的な生成画像に対して不可視のピクセル電子透かしも実装しているという業界動向レポートがあります。Meta・Google・Amazonの3社は、2025年9月時点で真に不可視なピクセル電子透かしを実際に展開している数少ない企業として言及されています。C2PA標準への対応意向も表明されていますが、具体的な実装状況・タイムラインについては継続的な確認が必要です。

参考リンク(情報ソース)